眼は2つあるわけですが、視力が低下してしまうような、特に網膜の病気は片眼ずつ発症することが多いです。
片方の眼が実は病気を発症していて、視力も落ちているのだが、自分では気づかないということがしばしばあります。これは、普段両目を開けて見ているため、脳が良い方の見え方を選択してしまい、見えない方の眼の病気の発見が遅れてしまうことが起こるわけです。ふとした時に片目で見る機会があって、見え方がおかしいことに気がついた!というのが非常によくあるパターンです。
病気の発症をできる限り早く、自分自身で気づくには、どうしたら良いでしょうか。
そのためには、片目をつぶって、片目ずつ見えているかどうかチェックしてみましょう。
上の表がチェックシートになります(アムスラーチャートと呼びます)。
加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、緑内障、黄斑上膜、黄斑円孔など、数多くの病気で上記のチェックシートを活用することができます。
使い方はまず片目をつぶります。
次に見えているほうの目で、真ん中の黒い丸を見ます。
距離は30cmくらいとってください。
視線を真ん中の黒い丸に固定したまま、周りの格子を見ます。
・その際、まっすぐな線がゆがんで見える場所はないか?
・凹んだり、逆に突出したりして見える場所はないか?
・格子が消えてしまっている場所、欠けてしまっている場所はないか?
・色がおかしくなっている場所はないか?
・周囲と比べて暗くなっている場所はないか?
などをチェックします。
もし当てはまるようでしたら、何か網膜の病気が起こっている可能性もありますので、
眼科を受診して、詳しい検査を受けるようにしてください。
すでに網膜の病気や緑内障などにかかっておられる方も、同じ方法を使って病気の進行度合いを自分でチェックすることができます。ときどき片目をつぶって、チェックしてみることをオススメ致します。