第18回 小児の近視予防ニュース ~その2~

今回も前回に引き続き、小児の近視進行抑制についての最新ニュースをお届けします。

~その2~ オルソケラトロジーは近視進行を抑制する

オルソケラトロジーとは、夜間睡眠中に特殊なコンタクトレンズを装着し、起床後から良好な裸眼視力を維持できる治療法のことを言います(詳しくは当院のオルソケラトロジーの説明ページを参照)。

近年、近視の有病率が高いアジア諸国において、視力回復のみならず、近視の進行を抑制することを目的としたオルソケラトロジーの使用報告が多数なされています。

初めての症例報告は、2004年です。片眼のみオルソケラトロジーの治療を行っていた男児の2年後の眼軸長の伸びが、治療をしていない眼と比較して抑制されていた、というものです。つまり、オルソケラトロジーを行っていた眼の方が、近視が進んでいなかったということになります。(眼軸長と近視進行との関係に関しては、低濃度アトロピン点眼治療のページを御参照ください。)

この後、オルソケラトロジーと眼鏡との比較研究などが行われ、オルソケラトロジーをしていたグループの方が、眼鏡のグループと比較して近視の進み方が軽かった、という報告が複数なされました。

さらに、8歳の一卵性双生児の研究(遺伝要因と環境要因が完全に一致)において、オルソケラトロジーをしていた双子Aの方が、眼鏡をかけていた双子Bと比較して、眼軸長の伸びが抑制されていた(つまり近視の進み方が軽かった)という報告もされました。

我が国においても、筑波大学の研究によって、10年間オルソケラトロジー治療をしていた子供は、過去の自然経過の報告と比べると、近視進行が軽そうだということがわかってきました。

なぜ、オルソケラトロジーをしていると近視が進みにくくなるのか、というメカニズムに関してはよくわかっていません。ただ、近視を抑制する効果はあるらしい、ということが多数の臨床研究により判明してきております。

京橋クリニックにおいても、現在たくさんの子供さんがオルソケラトロジー治療を受けておられますが、本当に近視が進みにくくなっているのか、今後データを詳細に解析していきたいと思っております。

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