眼球打撲傷・網膜振盪 (よくある目の病気 100)

よくある目の病気

第100回 眼球打撲傷 (がんきゅう だぼくしょう) 網膜振盪 (もうまく しんとう)

眼球に何らかの外的衝撃が加わり、生じるさまざまな障害をまとめて眼球打撲傷と言います。

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※参天HPより引用

眼窩・・・眼窩壁骨折(眼窩吹き抜け骨折)

眼瞼・・・眼瞼裂傷

結膜・・・結膜裂傷、結膜下出血、結膜浮腫

角膜・・・角膜裂傷、角膜上皮びらん

前房・・・前房出血

水晶体・・・水晶体脱臼

硝子体・・・硝子体出血

網膜・・・網膜振盪、網膜出血、網膜打撲壊死、網膜裂孔、網膜円孔、黄斑円孔、裂孔原性網膜剥離

視神経・・・外傷性視神経症

眼球打撲によってそれぞれの組織にさまざまな障害が起こりえます。眼の手前側から奥までしっかりと診察してもらう必要があります。眼に強い衝撃が加わった場合は、眼科を受診しましょう。

今回は特に網膜振盪に絞って解説します。

【症例】

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45歳男性。

ドラマの撮影中にプラスチック製の小道具が右眼に直撃した。

1時間後に当院を受診。

右眼視力は1.2。

眼瞼皮下出血結膜下出血前房出血網膜振盪を認めた。

光干渉断層計(OCT)による画像。

黄斑部の網膜が乳白色に混濁しているのがわかる(上記画像 赤丸で囲った部分)。

【症状】

網膜振盪眼球打撲傷の眼底病変で最も発生頻度が高い病気ですが、自覚症状が出ない場合がほとんどです。

目を打撲すると網膜の血流に異常が生じ、網膜の浮腫(むくみ、腫れ)が起こりその部分は白く混濁します。この状態を網膜振盪と呼びます。数週間以内に消失するものがほとんどですが、網膜出血硝子体出血を伴うこともあります。

網膜振盪は網膜の周辺部で起きることが多いですが、網膜の中心が傷つくと視力低下を来すこともあります。

【治療】

網膜振盪は一般的に自然軽快するので、経過観察のみで特に治療は必要としません。

ただ経過観察中に網膜振盪を生じた部分が萎縮して、網膜に恒久的なダメージを残す場合もあります(網膜打撲壊死)。

治るまで経過観察してもらうことが重要です。

(監修 京橋クリニック院長 佐々原学)

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